脳内大掃除

まとまらない日常

迷子を助けた結果、子供の誘拐は簡単なことを知った

先日ショッピングモールの食品売り場に迷子になった3歳くらいの子供がいた。

 

暫く見守ってみたが、半泣きでウロウロするばかりで親が見つからないようなので、意を決して声をかけてみた。

 

「パパがいなくなっちゃったの?」

「お姉さんが一緒に探してもいいかな?」(20代なのでお姉さんで許して)

「抱っこしてもいい?パパがいたら教えてね!」

男の子は私の言葉全てに頷いてくれた。

 

名前やパパの特徴は敢えて聞かなかった。

彼がのちに親と再会した後、名前を教えたと知られたら気味が悪いかなと思った。

 

男の子はポイフルを握りしめていたので、ひとまず彼を抱き抱えてお菓子売り場に向った。

 

周りの大人たちに疑われないように大きめの声で「パパー!」「パパいないねぇ」と声を出しながら男の子と話しながら移動した。

 

お菓子売り場にパパはいないようだった。

ふたりで探すことは諦めて、レジに向かいお店の人に男の子を引き渡すことにした。

 

ルフレジ担当の方に声をかけたところで店内放送が入った。

迷子を探す内容だった。

「絶対この子じゃん!!!」という特徴が流れた。無事親に会えそうだ、と安心しながら店員さんに引き渡すことができた。

 

そしてよくよく放送を聞いてみると、親は1つ上のフロアで待っているようだった。

つまりこの子は大人に紛れて一人でエスカレーターに乗り降りてきて、お菓子売り場へ向かい好きなお菓子を握りしめて、ここまできてようやく「パパがいない」と気がついたんだろう。

 

男の子の無事が確信できたと同時に子供の行動力に驚き、また「この子を誘拐することなんて簡単じゃないか」と気づいてゾッとした。

 

私が一人になった男の子に声をかけた後、「一緒にパパを探そう」「まずお菓子を買ってあげる」と言ってポイフルを購入したのちスムーズに私の車に乗せられたと思う。

 

この子はとても静かな子だったので(人見知りかもしれないけど)ぐずらずに抱っこさせてくれたし、終始泣き喚くことはしなかった。

親が一つ上のフロアにいたなら尚更気付かれないだろう。

 

休日のショッピングモールという大量の目がある中でも、シチュエーションによってはいとも簡単に子供を連れ去ることができると身をもって体験した。

 

子供からひとときも目を離さない、というのはすんごく難しいことだろう。

 

子供に「知らない人についていっちゃダメだよ」と言い聞かせていても、いなくなった親を一緒に探してあげると言われれば簡単についていくだろう。

 

いや全ては誘拐していく奴が悪いんだけど、どうすれば子供の身の安全を確保することができるのだろうか?

 

少し時間が経って、迷子になっていたあの子が親と再会したという館内放送が入った。良かったと安堵すると同時に、子供の連れ去りは簡単だという発見にどうしようもなく不安になった。